今から約1400 年前に聖徳太子が斑鳩宮を造営した場所、現在の斑鳩町は、歴史・文化的資源と自然環境が一体になり、美しい景観が保たれています。仏教伝来初期のお寺では、仏舎利を収めている塔が重要な存在でした。
斑鳩三塔として知られる3つの塔は、当初、飛鳥時代から奈良時代ごろに創建されました。このうち、法隆寺の五重塔と法起寺の三重塔は、世界遺産「法隆寺地域の仏教建造物」にも登録されています。
法隆寺の五重塔は、現存する世界最古の木造五重塔で国宝に指定されています。法隆寺の創建年は推古天皇15(607)年。現在の塔は、天智天皇9(670)年の火災による焼失後に再建されたもので、1350年近い歴史を持っています。初層四面には和銅4(711)年に造られた、釈迦に関する説話の場面を表した塑像小群像があります。
法起寺は聖徳太子が、長子の山背大兄皇子に岡本宮を寺とするよう遺言したのが始まりとされている寺で、三重の塔は慶雲3(706)年に完成したと伝わっています。三重塔としては日本最古で、国宝に指定されています。度重なる修理で建立当初から大きく変更された部分もありましたが、昭和の修理でそれまでの研究成果を踏まえた復元がなされています。
法輪寺の三重塔は、7世紀ごろ建立とみられる創建当時のものがありましたが、昭和19(1944)年、残念ながら落雷で焼失してしまいました。昭和30年代後半から、当時の住職であった井ノ上慶覚師と子の康世師が再建に奔走し、作家・幸田文さんの呼びかけも大きな力となり、昭和50(1975)年3月末に、宮大工・西岡常一棟梁を中心に再建されました。塔内(非公開)に納められている仏舎利や釈迦如来坐像、四天王像は焼失時に塔から救出されたものです。
三寺は創建当時、塔と金堂が東西に並び立ち、回廊で囲まれる伽藍配置であったと考えられています。現在は田園風景と青空の中に塔がそびえる、いかにも斑鳩らしいのどかな風景を作り出しています。
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