元々の参拝は、お堂の外から
するものだったのですか?
鈴木はい、お堂の中で拝むようになったのは平安時代の末くらいからです。それ以前は外からの参拝でした。法隆寺金堂と五重塔の前に「礼拝石」というものがあり、これは「ここから拝みますよ」という石。堂内は仏様の世界であって、僧侶を含めて人が立ち入るものではなかったんですね。桜井市の山田寺跡でも、膝をつきやすい形状の平たい大きな礼拝石が見つかっています。
教えてくれる人鈴木嘉吉先生
東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。元奈良国立文化財研究所長。『古代寺院建築の研究』ほか著書多数。